若木信吾×穂村弘トークショーをBOOK246へ聞きに行く。
若木さんが発行人、編集を務める「youngtree press」が10号をかぞえ、終刊する。
「ドキュメンタリー・スタイル・マガジン」といって、誰かのとても個人的な話(「茶飲み話」で、時として語られるようなこと)を、それこそドキュメントしている。
物書きではない人に、テキストを書いてもらったりする時に、「楽しい」や「悲しい」「嬉しい」という言葉を使わないで欲しい、と促すらしい。それは出来るだけ、フィルターが透明になるように。不思議なことだと思った。とても個人的な話のドキュメントなのに。
ただ、それがまるで、誰かが「自分の話」のように読む、ことになるのかもしれない。
今福龍太が著書『荒野のロマネスク (岩波現代文庫)』の中で、ロラン・バルトを引用しながら、こう書いている。
「自らの個別性を主体の科学に捧げ、提供しつつ、しかもその科学が自己を還元することも圧殺することもないような、ある一般性に到達するようにしむけること」。
とても素敵な文章だと思う。
若木さんは、「youngtree press」を5年間で10号作ってきて、どういうことをしたいのか、説明しようとしている間に終わってしまった、というようなを言っていたけれど、いつだって「言う人」は「それ」を「言うこと」ができない、のだと思った。